まちといろのワークショップ
第1回まちといろのワークショップ

2018年4月29日、日曜日。快晴のもと、未来をつくる実験区100BANCHを舞台に、MUKU初主催となる「まちといろワークショップ第一回」を目白福祉作業所・メジロックと共に開催しました。お待たせしました、当日レポートを更新です。

渋谷の街へ

「互いの様々な視点を発見する」をテーマに、色を通して、自分の視点と他者の視点の違い、同時に同様の視点があることにも気づく本ワークショップ。まずは3グループ(約9名)に分かれ、チェキを片手に渋谷の街へと繰り出しました。

いろの採集


3チームが渋谷のまちへ。まちを歩いて、見つけたいろをチェキで撮影します。空のいろ、アスファルトのいろ、地面に落ちた桜のいろ。ふだん何気なく通り過ぎる街の景色からいろを採集します。参加者からは「クレープ屋にいこう」「植物園にいきたい」、意見がどんどんでてきました。互いが打ち解けていく瞬間や相手を認める時間を体感しました。

そして、とても嬉しい出来事があったと、MUKUメンバーのひとりが後から聞かせてくれました。

ワークショップの最初、自己紹介を行った。その時、メジロックの職員さんが利用者である林さんに「林さん、今日はコーヒーだけじゃなくて、クレープも欲しいの?」と訪ねていた。林さんは頷いた。林さんは、コーヒーが大好きらしい。おこづかいをすべてコーヒーに使ってしまうそうだ。そして、職員さんに「よく考えて買ってね」と注意を受けるという。そんな林さんは、今日はいつものコーヒーに加えて、クレープを食べたい気分であるそうだ。

まちで色を探す90分間、渋谷を自由に探索していいことにはなっていたが、チームを先導する僕は、まさかクレープを食べることになるとは予想していなかった。クレープを食べに行くかどうするか悩んでいたいたところ、「みんなでクレープ、食べに行きましょう〜!」と参加者のひとりが言った。僕は、参加者のこの一言にとてつもなく、驚いた。今日の参加者はみんな初対面である。ひとりが受け入れる姿勢を見せただけで、チームの距離がぐっと縮まった気がした。というわけで、僕たちのチームは他のチームにはない、「まちのいろ」と「クレープ屋」を探し始めた。

みんな歩くペースもそれぞれ、撮りたいものをそれぞれ、強い日差しの中でまちのいろを見つけてあつめていく。

「なにをみつけたの?」「なにを撮ったの?」「これは、こうやって撮るんだよ〜」「またそれ撮るの?! 好きだね〜!」

参加者の発想のちがい、見方のちがい、お互いのちがいがたくさんあった。まちのいろと写真を通して、利用者さんと参加者さんの距離が自然と縮まっていくのを僕は初めて経験した。

結果的に、僕たちは渋谷のたくさんのいろと、クレープ屋を見つけることができた。「林さん、クレープ食べれて良かったね」ってみんなで笑ってクレープを食べながら話をしたとき、クレープを食べることが、すごく特別なことをしたような不思議な気持ちだった。大げさに言っても、言い切れないぐらいの幸せな感情が溢れてきた。本人にとっても、ほんとうに楽しい1日だったとのこと。

お昼休憩

お昼は、『旅するおむすび屋さん』菅本香菜さんに塩むすびをにぎっていただきました!新潟県産の「こしひかり」と「こしいぶき」をブレンドしたおむすび専用のお米。海苔も2種類用意していただき、味を比べるだけではなく、海苔のいろもじっくり見比べました。

「美味しいね、もういっこ食べたい」「のりの良いにおいがする〜」という声がそこらじゅうから聞こえてきました。「塩が足りない!」なんていう声も。

いろを作る

おいしいおむすびを食べた後は、撮ってきたまちのいろの写真をもとに、いろを作ります。そして、作ったいろでTシャツに絵を描きます。

まずは、参加者全員で、各テーブルを回り、撮影した写真を観察していきました。

3チーム、どれひとつ同じいろの写真はありませんでした。正直、驚きました。ワインのモニュメント、地蔵、空と宇宙人、マリオカート、大根に見えた文字などなど。

渋谷のまちから集めたいろを再現します。いろづくりをアシストするのは、藝術大学の学生3名。いろの作り方を学んで、色を使って描いていきます。

まったく絵を描かないひと、黙々と絵を描き続けるひと、開始数分で作品を完成させてしまうひと、お昼寝するひと。ワークショップ中、いろんなことが起きました。

最後に

終わりには、できあがった作品をみんなで観察しました。「これはなに?」「花火みたいだ」「良いいろですね」、感想がポロポロと出てきました。

第一回のまちといろのワークショップを通して、『違いを理解すること』がこのワークショップのゴールではないなと、思いました。

別に、理解してもしなくても、どちらでもいいじゃないか、と。その場に一緒にいることで、お互いの行動、考え方を見て感じることから何かが生まれるかもしれないし、生まれないかもしれない。結果は本当にどうだっていいんだと気づきました。経験もせずに想像だけで、彼らとコミュニケーションをとることを怖いと思う人たちや、彼ら自身が『こんにちは』となんとなくお互いのやりかたで始めることができる場所をこれからも作ってゆければいいなと思います。
このWSに参加した人が何を思うかは、参加者の勝手です。みんなが理解しあおうなんて綺麗事も言いません。でも、今回のWSの全員が互いに馴染んでいく感覚をそれぞれが、少しでも体感できたのではないかと感じています。とってもいい時間でした。ありがとうございました。